組織形態

  水沢高校応援団は,全生徒を団員として構成されています.そして,選挙によってリーダーが選ばれます(団長はリーダー内での互選).つまり,リーダーは執行責任者(執行機関)であって,主権の存する全生徒の厳粛な信託により応援活動を主宰することになります.リーダーが応援活動を主宰する際に行使する権力・権威は生徒に由来し,その福利・恵沢は生徒が享受することになります.要点は,水高応援団=全校生徒ということになります.


目的

  水沢高校応援団の目的は『応援』することです.私的見解ですが,『応援』の定義は「人間を奮い立たせること」かつ「悲しみ・苦しみを共有し,これを歓喜に変えること」であると考えています.この定義は応援形態に拘束されるものではなく,一切の拘束条件に依存しない普遍的なものだと思います.


現状・実情

  近年,水高の応援形態(バンカラ応援含む)に疑問の声が投げかけられ続けてきました.そして,私の2代下(48代)から実際に応援形態の変革がなされ,現在に至っています.過去,40代・45代と同様の変革がなされたことがありましたが,いずれも翌年からは元に戻っています.変革がなされた理由は,旧来の伝統下でリーダーになるには,『養成』と呼ばれる厳しい鍛錬を経なければならず,養成後もリーダーとしての人間性・タクトの技術等について研鑽を重ねなければならないからです。旧来の伝統下では,リーダー選挙で当選しても,養成を経なければリーダーにはなれませんでした.
  なぜ養成を行わなければならないのかということについては,様々な見解があると思います.個人的見解として,『自己を律するため』・『伝統の重さを知るため』などがあると思います.最初の『自己を律するため』については,他人を指導する前に,まず自己を律するべきであるということです.他人に厳しく,自己に甘いというような態度・行動は,最も唾棄すべきことです.付け加えると,自己に甘いから,他人にも甘くするという考え方は論外です.次の『伝統の重さを知るため』については,良い伝統・悪い伝統の双方があることは事実であり,悪い伝統を崩すことは容易であるが,何故そのようなものを先輩方は大事に受け継ぎ,育ててきたのかということを,自ら良い伝統・悪い伝統の双方を体験することにより,初めて伝統の重さを知り得るということです.
  ただ,この文章を読んでいる方に誤解しないで頂きたいのは,リーダーがバンカラを着る・着ないという格好の問題ではないということです.安易な方向へと流され,諸先輩方が不断の努力で築き上げられてきた伝統の,自己(自分達)に都合のいい部分のみを行うことが,果たして変革と呼べるのかということが問題なのです.つまり,旧来の伝統は嫌だけど,新しい応援形態や行事運営を考えるのは面倒なので,自己の不利益になるような伝統を削除し,都合のいい部分だけを残すことが変革なのかということです.