作詞・草野心平氏,作曲・伊藤翁介氏による岩手県立水沢高等学校校歌は,昭和27年度に誕生したそうです.これは,その当時在学し,数年前まで水高で教鞭を執られていた先生のお話から逆算したものです.美しい旋律と共に,1・2・3番それぞれの歌詞にストーリー性が込められていると思います(管理者独断).
  ほとんどの行事で校歌が歌われますが,水高の校歌の特徴として,正調と団調というものがあります.正調はリーダーのタクト(手振り)や演奏に合わせて,楽譜通りのスピードで歌われます.一方,団調はリーダーのタクトに合わせて歌いますが,そのタクトが極端に遅くなります.つまり,歌も遅くなるというか読経のような感じになります.音楽の知識がないので詳しく説明できませんが,音符間の間隔の比率は保ったまま,その間隔を何倍かに延ばしたという感じでしょうか.
  団調がいつ頃生まれたのか詳しい記録は残っていませんが,校歌が誕生してから20年前後は団調が存在していなかったそうです.その後,団調が生まれ,リーダーがタクトを振る場合の校歌は全て団調で行うというスタイルが近年まで続いていました.しかし,バンカラが無くなってからは,また正調に戻っているそうです.
  団調については,古いOBの方々から「作曲者・作詞者に対する冒涜である」など,様々な御意見を頂いたこともありましたが,団調と共に高校生活を送られた方々がOBの約半分近くいることも事実であり,一概に団調を否定することもできないと思います.